不燃ターポリンは、火に対する高い安全性を持ち、建築現場やイベント会場など防火対策が求められる多くの場面で使用されています。本記事では、不燃ターポリンの定義や防炎製品との違い、用途、特徴、選び方の注意点までを網羅的に解説。不燃認定の基準や「国土交通大臣認定番号」なども詳しく紹介し、用途に適した選定に必要な知識を総まとめしています。

不燃ターポリンとは?
一般的なターポリンとの違い
ターポリンとは、ポリエステル織物に塩化ビニル(PVC)樹脂をラミネートしたシート素材で、防水性や耐久性に優れており、多くの屋外用途に活用されています。不燃ターポリンはこのターポリンに不燃性能を付加したものであり、火源にさらされても燃え広がらず、自己消火性を持つのが特徴です。
一般的なターポリンが防水・防汚・UVカットなどの機能を重視するのに対し、不燃ターポリンは火災リスクが高い場所や建築基準法によって不燃材の使用を義務付けられている場所で使用されます。このため、不燃ターポリンは、消防法・建築基準法に準拠した特殊性能素材となっています。
| 項目 | 一般的なターポリン | 不燃ターポリン |
| 燃焼性能 | 防炎(燃えにくい) | 不燃(燃えない) |
| 主な用途 | 横断幕、屋外テント、シートなど | 建築現場、避難経路、屋内装飾など |
| 規制順守 | 消防庁の防炎規制 | 国土交通省の不燃認定制度 |
| 価格帯 | 比較的低価格 | やや高額(性能に比例) |
不燃認定の基準と関連法規
不燃ターポリンが市場で「不燃材料」として認定されるためには、国土交通省が定めた試験と認定制度に合格している必要があります。これは、建築物における一定の部位に対して不燃性が法的に義務付けられているためです。たとえば、特定防火対象物や避難経路においては、不燃材料であることが厳格に求められます。
不燃性の確認試験は、JIS A 1321(建築材料の発熱性試験方法)などに基づいて行われ、煙の発生および熱の発散が規定値を超えないことが条件となります。また、性能に応じて「不燃材料(不燃)」「準不燃材料(準不燃)」「難燃材料(難燃)」の3種類に区分されますが、この記事では最も高いランクである「不燃材料」に該当する製品を対象に解説します。
建築基準法と不燃材料の関係
建築基準法では、特定の条件下において使用する内装材料に対し、国が定めた「不燃性能」を有することが義務付けられています。特に、地下街、大規模商業施設、高層ビルといった公共性の高い建築物では、視認しやすい場所に使用される材料は原則として不燃材料でなければなりません。
不燃ターポリンは、内装制限や屋根・外壁の内側に関する規定をクリアするための素材として活用されています。例えば、室内装飾や仮設間仕切り、掲示装置などで不燃性能を持つ素材が必須とされるケースにおいて、不燃ターポリンは有効な選択肢となります。
国土交通省の不燃材料認定番号とは
不燃ターポリンを選定する際に確認すべき重要な情報のひとつが、「不燃材料認定番号」です。これは国土交通大臣により個別に付与される認定番号で、正式には「不燃材料認定番号(NM-xxxxx)」という形式で表示されます。これにより、製品が国の基準に基づき認定されたものであることが証明されます。
製造メーカーは、不燃試験に合格したターポリン製品について、国土交通省に対して認定申請を行い、承認取得後、その製品に認定番号を付与して販売します。ユーザーはこの番号を確認することで、その製品が正式に不燃材として認定されていることを把握でき、安全性や法令遵守への信頼性を高めることができます。
具体的な例として、日本国内で流通している不燃ターポリンで有名な製品に「セイデンクリスタル(TEIJIN)」「スパークガード(YOKOHAMA RUBBER)」「カネライトターポリン(Kaneka)」などがあり、これらはすべて「NM-xxxx」形式の不燃認定番号が付与されています。
不燃ターポリンの主な用途は?
防火対策が必要な建築現場
不燃ターポリンは、建設現場における火災リスクを低減するための資材として広く活用されています。足場を覆うシートや養生シート、仮囲いなどに使用されることが多く、火花や高温物質による引火を防ぐために重要な役割を果たします。特に都市部の住宅密集地や、法規制によって防火設備が義務付けられているエリアでは、不燃材料の使用が求められるため、不燃ターポリンの需要が高まっています。
また、建設工事の現場で使用する仮設幕や、工事中の塵や粉じんの飛散を防ぐ養生用シートにおいても、不燃性であることが求められる場面が多いため、建築法に基づいた不燃材料認定を取得した製品が重宝されます。
イベント・展示会での使用例
幕張メッセや東京ビッグサイトといった大型展示会場では、不燃性能を有する素材の使用が設営規定で定められている場合があります。そのため、不燃ターポリンは、展示会ブースのバックボード、広告バナー、吊り下げサイン、間仕切り壁などに活用されています。また、各種イベントでも、ステージの背景幕や装飾パネルに不燃ターポリンを採用することで、安全性が確保され、イベント主催者の消防申請にも対応が容易になります。
特に来場者が多い展示会やイベントでは、不特定多数の人々が滞在するため、火災発生時のリスクを最小限に抑えることが重要です。防炎性能では不安が残るケースにおいては、不燃ターポリンの使用が推奨されます。
商業施設や公共施設での安全対策
大型ショッピングセンター、駅構内、空港、博物館といった公共性の高い施設では、防火基準の厳しい規制が設けられており、内装材やディスプレイ素材として不燃ターポリンが活用されています。施設内のサイン表示、装飾幕、広告バナー、仮設の目隠しシートなど、火元になりうる照明器具や電気設備と隣接する箇所には、不燃性の素材を使用することが義務付けられることもあります。
また、避難経路に設置される案内表示などは、万一の火災時に燃え広がらず、視認性を確保する素材が求められます。不燃ターポリンはそのような条件にも適合しており、安全性と機能性を兼ね備えた素材として評価されています。
屋外広告や電飾看板
屋外サインや電飾看板など、長時間にわたり照明にさらされる広告媒体では、電気系統から発火するリスクを考慮し、不燃ターポリンが使われることがあります。例えば、駅前の大型ビジョン横看板、商業ビル壁面のイベント告知バナー、交通広告(バスやタクシーのラッピング)などで、不燃性能が求められるケースは多くあります。
夜間の照明と併用する広告は、高熱になる蛍光灯やLEDとの接触が避けられず、万一の電気系統の異常に備えても不燃性素材の選定が安全管理上、非常に重要です。また、不燃性に加えて耐候性・対紫外線性なども要求されるため、高品質の不燃ターポリンが採用されます。
内装仕切り材・間仕切りカーテン
工場や倉庫などの産業施設、病院、学校などの教育機関における内部空間の仕切り材として、不燃ターポリンが利用されています。耐熱性や遮光性を活かしつつ、不燃性を備えていることで、作業空間や教室を安全に区分けする際に最適な素材です。可動式の間仕切りカーテン、ロールスクリーンタイプの仕切りにも応用されており、軽量なため扱いやすい特徴があります。
また、空調効率を高める目的でも、不燃性のターポリン素材が活かされています。耐水性や気密性のある製品で構成することで、安全性と機能性を両立した室内環境を実現できます。
使用用途の一覧
| 用途分野 | 具体的な使用例 | 不燃性が求められる理由 |
| 建設現場 | 足場用シート、仮囲い、養生カバー | 火花による引火リスクの防止 |
| イベント・展示会 | 背景幕、ブース装飾、間仕切り壁 | 消防法に基づく安全基準の遵守 |
| 商業施設 | POP、広告バナー、仮設間仕切り | 来場者・顧客の安全確保 |
| 広告・看板 | 屋外広告幕、電飾サイン | 照明機器との接触による火災防止 |
| 施設内装 | 作業空間の間仕切り、カーテン | 火元に近い場所での使用に対応 |
このように、不燃ターポリンは単なる建材ではなく、「安全性を確保しつつ、視覚的・機能的な表現が求められる用途」における必須素材となっています。防火法規制が厳格な環境では特に重要な選定条件となり、安全と品質を両立するためには、国土交通省による不燃認定を取得した製品を選ぶことが欠かせません。
不燃ターポリンの特徴と選ばれる理由!
優れた防炎・不燃性能
不燃ターポリンの最大の特徴は、火にさらされても延焼しない「不燃性能」を有している点です。これは、防炎性能を持つ素材よりも厳しい基準をクリアしており、建築基準法に定められた不燃材料の認定を受けたものです。不燃性能とは、火元が離れても自己消火せず、燃焼が広がらない素材であることを意味し、火災発生時の安全性が格段に高まります。
国土交通省の認定を受けた不燃ターポリンには、不燃認定番号(例:NM-0000)が付与されており、公共施設や大型商業施設、展示会会場など、建築材料の不燃指定が義務付けられている場所で使用されています。
耐久性・耐候性の高さ
不燃ターポリンは、塩ビ系などの高強度樹脂を基材とし、その表面に特殊なコーティングが施されているため、非常に優れた耐久性を発揮します。屋外での長期間使用においても、紫外線・雨・風などの影響を受けにくく、劣化しにくいという特長があります。
特に、屋外イベント用のテント、建築現場の仮囲い、工事用シートなど、常に自然環境の影響に晒されるシーンにおいて、高い耐候性は非常に重要です。素材の劣化が早期に進むと、破断や雨漏りの原因にもなりますが、不燃ターポリンは長期にわたってその性能を保持します。
軽量で加工しやすい素材性
不燃素材には重量があるという印象を持たれがちですが、不燃ターポリンは最新技術によって軽量化が進んでおり、比較的軽量で取り扱いやすいと評価されています。これにより、施工現場での組み立てや取り外しが簡単で、時間と人件費の削減にもつながります。
さらに、裁断・溶着・縫製といった加工がしやすいため、用途に応じたサイズ設計や形状調整が可能です。例えば、大型サイズの仕切り幕や、複雑な形状のテントなどにも対応でき、機能性と利便性の両立が図られています。
遮光性・耐水性・UVカット機能
不燃ターポリンには、さまざまな付加機能が搭載されている製品も多く存在します。特に遮光性・耐水性・UV(紫外線)カット機能は、多目的利用を可能にする重要な要素です。
| 機能 | 特徴 | 活用シーン |
| 遮光性 | 光を遮断し、内部の視界や温度を調整可能 | 展示ブース、映像投影用スクリーン |
| 耐水性 | 雨水や湿気に強く、長時間の屋外使用が可能 | 仮設の屋根・屋外テント・防水カバー |
| UVカット | 紫外線を遮断し内部の劣化や褪色を防ぐ | 長期間の日照下での使用、製品保管用カバー |
これらの機能により、不燃ターポリンは単なる防炎・不燃性だけでなく、快適性や高機能性を備えた高性能素材として高い評価を受けています。
不燃ターポリンを選ぶときの注意点
本当に必要な不燃性能かの判断
不燃ターポリンはその名の通り「不燃性能」を持つ高機能素材ですが、全ての現場で必ずしも不燃素材が必要とは限りません。設置場所によっては防炎性能で十分なケースも多く、不燃ターポリンを過剰に選定することで、コストが割高になる可能性があります。特に、屋外イベントや仮設テント、のぼり・横断幕など、火気の取扱いが極めて限定的な環境では、防炎ターポリンで条件を満たすことが多いため、実際に法律や規制上、本当に不燃性能が求められているかどうかを確認することが肝要です。
選定前には、使用予定の施設や構造物に関する法的基準を確認し、建築主や施工管理者、使用物品の管理責任者と十分に協議することが重要です。また、「不燃=絶対に燃えない」という誤解をしているケースもあります。不燃材料にも限界温度があるため、想定外の高温環境では性能を超えてしまう場合もあるので注意が必要です。
選定時の不燃材料認定の有無確認
不燃ターポリンを選ぶ際には、必ず国土交通省が定める「不燃材料認定番号(NM-XXXXX)」の有無を確認することが重要です。これは、建築基準法および下位条文に基づいて正式に不燃材料と認定されたことを示すものです。
認定を受けていない製品は、いくら「不燃仕様」とうたっていても、法的には不燃材料とは見なされません。とくに、建築物の内装材や屋内外看板、仮設幕や目隠しパネルのように、都市計画区域内での使用が前提となる製品には、適合証明が不可欠となります。購入や施工の際には、メーカーや販売業者から「不燃材料認定書」の写しや、国交省発行の「認定番号」が記載された資料を入手し、整合性を確認するようにしましょう。
| 確認項目 | 詳細 |
| 不燃材料認定番号 | 「NM-0000」などの形式で明記。国土交通省の建築材料認定情報検索で照会可能。 |
| 認定製品の仕様一致 | 設計図書と実物が同一仕様であることを確認。厚みやコーティング違いに注意。 |
| 有効期限 | 一部認定には有効期限があるため、製造ロットなどから期限切れでないか確認。 |
設置場所の環境との適合性
不燃ターポリンは優れた性能を持っていますが、設置する環境によってはその性能が十分に発揮されない、または予期せぬ劣化が起きる可能性があります。たとえば、強風が吹く屋外や、長期間にわたって紫外線にさらされる環境下では、素材の耐候性が重要な判断材料となります。
湿度が高くカビが発生しやすい場所では、表面処理や防カビ性の確認も必要です。また、寒冷地など極端な温度変化がある地域では、柔軟性の低下やひび割れのリスクも懸念されます。製品によっては適応温度範囲が明示されているため、使用環境との相性を事前に調査し、自社の使用条件に適したスペックを選定することが大切です。
また、風によるバタつきや音の問題、厚みや硬度によって取り付け時に制限が出ることも考えられます。設置構造や荷重条件に応じて、設計変更や補強が必要になるケースもあるため、設置業者や設計士との連携も不可欠です。
| 環境条件 | 確認ポイント | 推奨対策 |
| 屋外での長期使用 | UVカット処理、防水性能の有無 | 耐候性グレードの選定 |
| 極寒・高温環境 | 可塑剤の移行や素材の柔軟性 | 使用可能温度帯を確認 |
| 高湿度・密閉空間 | カビ・菌の発生リスク | 抗菌・防カビ仕様を選ぶ |
| 強風エリア | 破損・バタつき音の問題 | 厚手グレード+補強設置 |
不燃ターポリンと防炎ターポリンの違い
防炎とは燃えにくいという意味
防炎とは、素材が「燃えにくい性質を持つこと」を示す性能基準です。火がついても延焼しにくく、火源から離れると自然に火が消えるのが特徴です。具体的には、消防法に基づき「防炎性能試験」に合格した素材が“防炎認定品”として扱われます。
防炎ターポリンは、主に短期イベントや屋外広告、簡易的なシート・幕などに多用されており、コストパフォーマンスの面でも優れていることから、比較的安価で入手できるというメリットがあります。
防炎性能の表示は、公益財団法人 日本防炎協会により発行される「防炎認定ラベル(防炎ラベル)」の貼付により確認可能です。
不燃とは燃えないという意味
不燃とは、「ほとんど燃焼しない、または燃焼してもごくわずかで延焼しない性能」を指します。不燃材料は、加熱しても有害ガスの発生がほとんどなく、火災拡大のリスクを大きく抑えることができます。
建築基準法においては、国土交通大臣により定められた「不燃材料認定番号(NM-XXX)」を取得している素材のみが「不燃材」として認められています。不燃ターポリンはこの認定を受けた製品であり、公共施設、商業施設、大型イベント会場など、法的に不燃材使用が義務づけられているエリアで使用されます。
不燃ターポリンは、ガラス繊維にシリコンやフッ素樹脂などをコーティングすることで構成されており、極めて高い耐熱・難燃性能を有します。
| 項目 | 防炎ターポリン | 不燃ターポリン |
| 燃焼性 | 燃えにくい(自己消火性あり) | ほとんど燃えない・燃えても延焼しない |
| 認定基準 | 消防法(日本防炎協会 防炎認定) | 建築基準法(国土交通大臣 不燃材料認定) |
| 用途例 | 屋外広告幕、イベントテント、建築仮囲い | 公共施設の内装材、避難通路・階段壁面、イベント施設天幕 |
| 認定ラベル | 防炎ラベル(日本防炎協会) | 国土交通大臣認定番号(例:NM-1234) |
| 価格 | 比較的安価 | やや高価 |
| 主な素材 | ポリエステル基布+塩ビコーティング | ガラスクロス基布+シリコン・フッ素樹脂 |
| 使用規制 | なし(推奨) | 法令で使用義務ありの場所あり |
使用環境によって使い分けが必要
防炎ターポリンと不燃ターポリンは、それぞれ異なる安全性能を持つため、利用目的や設置場所に応じた素材選定が重要です。例えば、建築基準法で内装制限が規定されている「特定防火対象物」(例:劇場、百貨店、病院など)では、不燃性能が求められるケースが多く、防炎ターポリンの使用では基準を満たさないことがあります。
一方、屋外イベントや一時的な設置物など、法的な不燃義務がない場合には、コスト面や利便性から防炎ターポリンを選択することが望ましい場面もあります。
設置環境を十分に確認し、法令や防火対策の観点から適切なターポリンを選ぶことで、安全性とコストバランスの取れた建築・施工・装飾が実現できます。
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※(公財)日本防炎協会より認定済みの商品です!(防炎ラベルが必要な場合は別でご用意ございます)
まとめ
不燃ターポリンは、建築現場やイベント会場など防火性能が求められる場で重宝される高機能シートです。防炎との違いや不燃材料認定の確認など、使用前の正しい理解と選定が重要です。特に、国土交通省の不燃材料認定番号の有無を確認することが安全性確保の鍵となります。
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